おやすみなさい |
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今思うと、この歌を書いたとき、まるで予想だにしなかったことがある。 よく、文章は流行語から腐っていくといわれるけれど、 それがまさか“レコード”という単語がそうなるなんて。 だからレコードはこの場合レコードなんです。 もちろん塩化ビニールでできたやつ。 カセットテープもそろそろ出回っていたけど、 それと、レコード盤は、棲み分けができるものと思っていた。 それにしてもまさか、こんなありふれた情景が、 危機に瀕しているというのは、想像もつかなかった。 以下。 まず、階段。 だってエレベーターでしょ、今じゃこの場合。 百歩ゆずって(ゆずってもらって)、階段をのぼったとする。 しかし、その階段の目の前の扉が、すでに開かれているのはあまりに不用心だ。 その上、トビラという言い方はなんだと思うだろう。 弁解を試みたい。 すくなくともスチール製ではないと言うことだ。 そうして、呼び鈴などもついていない。 し、しまった、ドアホーンのことを、かってそう言ったのだよ。 ドアホーンじゃなくて、チャイム? だからドウシタ・・・・。 |
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え、何? 風呂上がりの髪は束ねちゃだめだって? おぐしによくない・・・カビが発生することもある・・・。 あのね、長い髪をほどくということは、色っぽすぎるわけ。 それじゃあ、ちょっと過激すぎるの。 考えすぎですか・・・。 あ、おぐし、という言い方については、僕が挑戦的になっていると思ってクレ。 煙草ね。 そのころね、煙草と酒は、完全なパートナーだったの。 どちらかが欠けるということは、ありえなかったの。 銘柄としては、ハイライトね。 セブンスターはちょい軟弱で、両切りのショートピースは背伸びしすぎ。 これが、ピー缶が似合うレベルになるまでには、 相当の経験とさいのーが必要だったの。 酒は、こういうシチュエーションでは、清酒じゃないな。 まあ、ビールはゆるしてもいいな。 しかし、やっぱりウィスキーだろうね。 それがバーボン系だと、いちばんぴったりね。 あ、ワインですか。 それはない。 あれは、オンナコドモののみものというのが通り相場だったからね。 一部じょーりゅーかいきゅーの他はね 次いきましょ。 |
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おなかがすいたって、言うことね。 だからって、突然コンビニに飛んでいくとかはないの。 コンビニが現れたのは、それよりずっとあとだし、 だいいち、かのじょが作るからいいんでしょ? と、発言しつつ、実はたいへんな問題がある。 この歌が書かれたのより、やや前に、 私作るひと、僕食べるひと、 となどというコマーシャルが社会的な問題になってね。 セクハラだなんだと、騒ぎがおきたのね。 もっともセクハラなんて、だいぶ後の言葉だし、 そして、すーぐに腐ってしまうんだけど、。 くさっているよりは、ましな程度でも、コンビニじゃなくて、 じょのか、が作ったものの方が、いいなあ。 ジョ、ジョノカですか・・・。 あのね、この逆さま言葉について、ふれるとやたらに長くなるんでね、 この場は見逃してね、いずれ書くから。 |
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歌をうたいたい、つてところも、ちょっと解説がいるのね。 たとえば、レコードを聴くというのも、一枚を何度も聴くなんてしないの。 なぜだと思う? それはね、盤が減っちゃうからなんだよ。 すーぐ傷が付いちゃうわけ。 だから、一度聴くのもイノチガケだったの。 それが、二度も三度もなんて、 それこそいのちがいくつあってもタラナイでしょ。 だから、一度聴いたらね、だいたいおぼえるのさ。 つまり、聴いた歌を、今度はそらで、歌うのさ。 頭の中ではさっき聴いた『青春の光りと影』の、 あのギターサウンドをよみがえらせつつ、 一緒に歌ったりするんだよ、二人で。 かのじょのうちだからね、多分ギターは無い。 どういう訳か、ギターは男の持ち物だったのね。 しかしなぜだろ?今思うに。 これが、自分の部屋だったら、とっくいになって弾くんだよね、 たいていのケースは。 まあ、コードなんて3つ在れば充分なんだからさ。 それがFをおさえられたりしたら、Cの曲そつぎょうして、 もーうFの曲狙って弾くよね。 でもね、現実は、そんなに甘くないのね。 Fは、押さえられたとする。 ところがね、このキーの曲には、B♭という怪物がすんでいるの。 どうしたと、思う? 手段はあったんだ。 それはね、B♭の形で弦をおさえるでしょ。 だから、か・た・ち・ね。 そして、実は6弦ともミュート状態にするんだよ。 大声で歌っていれば、ギターは聞こえないしね。 そうやって夜はふけていったのでした。 |
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