曲名 オリジナル録音盤 作詞者 作曲者
 038   名前の無い君の部屋   LP「名前の無い君の部屋」 
 及川恒平   及川恒平 
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4/4 
オリジナルキーは
憶えていません。
僕のキーです。
そして、
実はコードも
忘れていました… 


 E    F♯m A     E  
名前の無い  君の部屋に
  E    F♯m A     E         ÷
さびしい顔の   人形が いっぱい
 F♯m ÷     E  ÷  F♯m ÷     E    ÷
人形に なりすしまて    もう少し おしゃべりして
   A       ÷      E      ÷
だからタバコの煙が 絶えない 
   A      ÷      E     ÷
だからひとり笑いが 絶えない



 E    F♯m A     E  
名前の無い  君の部屋に
  E    F♯m A          E        ÷
白い 大きな    キャンバスがある
 F♯m    ÷  E  ÷  F♯m ÷      E       ÷
いつまでもそのままだね 絵具を持っても  泣き出しちゃうし 
  A       ÷       E      ÷
天井がモビイルみたいに 揺れて
   A      ÷      E     ÷
君は突然窓を    開ける



 E    F♯m  A     E  
名前の無い   君の部屋に 
 E    F♯m A      E         ÷
恋の幽霊が   漂っている
 F♯m ÷     E  ÷  F♯m  ÷     E    ÷
幽霊に なりすまして    もう少し 遠くはなれて
  A        ÷       E      ÷
なぜほうっておくのか 黙っている 
   A     ÷       E     ÷
君がわかるような 気がする



C♯m7  ÷   G♯m7    ÷
お湯がわいた   話が立ち止まり
C♯m7   ÷   G♯m7    ÷
ほんの少しばかり  二人は油断して
C♯m7  G♯m7    B7   ÷
 しびれたあしを    撫でる
   E        ÷    rit.
“コーヒーが入ったよ”




 この歌をこのコーナーで取りあえげてほしいとのリクエストをいただいた。
鹿児島に在住のTさんと言うデザイナーの、そのメールには、
学生時代に、当時出始めたばかりのラジカセに録音して、
練習しては自分でも歌ったもののひとつだったと書かれていた。
 最近、思い出してこの歌を口ずさむと、ご家族が喜んでくれると、メールはつづいている。


 『名前の無い君の部屋』に書かれた風景は、僕が実際に目にしたのかは別にして、
当時の若者の恋の心情を書いたものとして、一定の評価をもらったのだと思う。
ただし、作った当人はいたってのんきに書きなぐっただけであり、
時代がどうのなどとは、およそ考えていない。
 僕だけでなく、あの時代のシンガーソングライターたちは
おしなべてそうだったのではないかと思う。
 Tさんが懐かしく思い出し歌うのも、
あの時代のにおいを、この歌に感じるということも、小さくないだろう。
いや、初めてその歌を聴いた時代をを懐かしむための、導入剤として、
それそれれ、歌があると言ってもいいかも知れない。
 

 もう少し、この歌の世界にフカイリしてみよう。
 アパート一間の暮らしは、若者にとって普通のことだけれど、
その特徴は、ひと部屋に住人のすべてがあるということだ。
わかりきった事実だが、
そうすると何がおきるかというと、本人以外の顔が持ち込まれるのだ。
 ポスター、写真、あるいは、部屋の隅にほうられている雑誌の表紙、などなど。
そして女性であれば、あるいは人形、ぬいぐるみ。
女性であればと書きつつ、今これを書いている部屋の中を見回すと、
二体の人形と、ふたつの小さなぬいぐるみを発見。
僕の場合もらいものではあるけれど、オトコの部屋でも意外ではないのかもしれない。


 そうして、コーヒー、煙草。
コーヒーは、味わうためといよりもっと別の役をこなしていたようだ。
たとえば、喫茶店で長話をするためのバイプレーヤーとして。
ジャズ喫茶では、読書のしおりがわりに。
 その延長上に、若者たちのそれぞれの部屋にも、コーヒーは、
そんなあり方をしていたのではないだろうか。

 『嫌煙権』とかいうマナーだかホーリツだかに一斉攻撃されている煙草は、
現在よりずっと、重要なポジションをしめていた。
コーヒーと同じように、アイノテとしての存在価値はもちろんだけど、
大人であることを、自ら確認するためのものとして。
あるいは、人前で帽子や靴などをちょっと意識するのように、
ささやかなおしゃれの小道具として。
もうひとつ、自分の思想t“性”の確認材料として。

かな?


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