赤馬夜曲題字


 歌のはなし 曲名 公表作品 作詞者 作曲者
036   赤馬夜曲      演劇公演・ライブのみ   太田省吾   及川恒平 



4/4

D / Bm  Bm / D  D / Bm  Bm / D
トダレバ   チチル    ハチチル   ラルレ
D / Bm  Bm / D  D / Bm  Bm / D
トダレバ   チチル  ハチチル   ラルレ
D / Bm  Bm / D  D / Bm  Bm / D
トダレバ チチル   ハチチル  ラルレ

D     G      G      D
赤いお馬は     舌ちぎられて
D     G          Em    A7
寒い夜空に      いななきあげる


D / Bm  Bm / D  D / Bm  Bm / D
トダレバ チチル   ハチチル  ラルレ
D / Bm  Bm / D  D / Bm  Bm / D
トダレバ チチル   ハチチル  ラルレ


D     G      G      D
赤いお馬は     脚 もぎとられ
D     G          Em     A7
寒い夜空に     ひづめを たてる


D / Bm  Bm / D  D / Bm  Bm / D
トダレバ チチル   ハチチル  ラルレ
D / Bm  Bm / D  D / Bm  Bm / D
トダレバ チチル   ハチチル  ラルレ


D     G      G      D
赤いお馬は     夢 はぎとられ
D     G         Em      A7
こおる夜空に       はりついた


D / Bm  Bm / D  D / Bm  Bm / D
トダレバ チチル   ハチチル  ラルレ
D / Bm  Bm / D  D / Bm  Bm / D
トダレバ チチル   ハチチル  ラルレ
  《2004/2/19追記》

 太田省吾さんは、現在日本の演劇を語るときはずすわけにいかない人だ。

 この方と出会ったのは1970年、
転形劇場の主催者であった程島さんがなくなられた後のことである。
 太田さんの、おそらく処女作であったと思う。
若き跡継ぎとして、大変な重圧があったことだろう。
そんなことなど、てんで知らない僕は、気ままに作曲させていただいた。
 それらの作品は、今後このページなどで、公表させていただくとして、
「先代」故程島武夫のの最後の上演作品となった『戸口の外で』の劇中歌を、
ひっそりここに残しておきたい。

 外国の作品なので、訳詩というか作詞はきっと台本にかかわった太田省吾さんと思われる。

《貝殻の歌》-作曲/及川恒平

貝殻、貝殻
いろさまざまに、つややかに光る
子供の頃、みんなでよく見つけた

貝殻、貝殻
まるいのや、ながいのや、
お聞き、風がその中で鳴っている

 貝殻、貝殻
大きな海がその中でだまっている
博物館の中でだまっている
港の古い居酒屋や、子供部屋でもだまっている

 貝殻、貝殻・・・

 という、短いものだが何度かコンサートでも歌った記憶はある。
しかし、どんな経緯で太田さんたちと知り合えたのかは、すっかり忘れてしまった。
きっと先輩に、引き合わせていただいたりしのだろうに、恩知らずで、ゴメンナサイ。

 1968年といえば、新宿ピットインシアターが健在で、まだジャズ・ライブにノットラレる前のことだ。
 僕は別役さんの作演出の『カンガルー』という芝居に週一で出演していた。
常田富士夫さんはじめ、芝居のためになら命を落としてもかまわない、
といった気迫をみなぎらせる先輩たちに初めてかこまれた時期である。
実際、複数のかたがたがその後、しばらくしてなくなっている。

 他の曜日は唐十郎さんの『ジョンシルバー』、
人間座には暗黒舞踏の創始者、故土方巽が客演していた。
日々騒然とした中で、ただしそれが当たり前とすごしていたと言えるのだろう。

 その中で太田省吾さんは大人の風格をすでに備えた方であった。
転形劇場が、強靭な有機体として、その後活動を続けたのは、
そんな彼の人柄によると言えると思う。
 きっと、そのころの劇団員も、僕と同じ感想を持っているはずだ。

                                  
2004/2/19追記
 《2003/7/1》

 この歌は、同名の太田省吾作の芝居の劇中歌である。
正確には、題名をそのままもらったに過ぎない。
だいたい、劇中歌にはタイトルなんてないことが多いのだ。
 
  歌詞を読んで、どんな感想をもつだろうか。
判ったような、よく判らないような、が正直なところではないだろうか。
  今でこそ、モー娘(までも)が歌ったりして、
それなりのスタンディングポジションを得ているフォークソング「雨が空から降れば」だって、
もとをただせば劇中歌だし、よくよく見ると返って意味がわからなかったりする。

  歌の言葉という特性が、こんな事実にも垣間見える気がする。
歌が独立して歩きだすなんて、うらやましい。
 これは、正直言って“愚痴”である。
今また、僕の作った歌がちょっとカナシイ事件に直面している。

  一度完成した歌を解体するのは、それも、外部の事情によりそれをうけいれるのは、
画家が、完成した絵に、ちょっと人物の顔色よくしてもらえませんか?
とか言われて、筆をいれなおすようなものだろう。
作った者として、受け入れてはいけないことのひとつなのは、あきらかだ。

03年横浜・公園

太田省吾さんとの転形劇場での僕の仕事
1968年 『戸口の外で』試演会(草月会館ホール)作/W・ポルヒェルト 改編/太田省吾 演出/程島武夫 照明/立木定彦 美術/栗原一英 音楽/阿部公甫 助演出/太田省吾 出演/品川徹、佐野己恵子、北倉幸子ほか 劇中歌/及川恒平
1970年 『乗合自動車の上の九つの情景』(国際芸術家センター)作.演出/太田省吾 照明/立木定彦音楽/及川恒平 劇中絵/小室佳世 効果/大作裕 出演/植村達雄、品川徹、中村富士子ほか 
1971年 『黒アゲハの乳房』(転形劇場工房)作.演出/太田省吾 照明/吉本昇 音楽/及川恒平 舞台美術/明石晋 ギター/杉谷建慈 演出助手/石井孝一 出演/坂田修司、中村富士子、永井利枝ほか
1972年 『花物語』(転形劇場工房)作・演出/太田省吾 照明/辻本晴彦 音楽/及川恒平 舞台美術/明石晋 総務/長谷川和子 演出助手/石井孝一 出演/瀬川哲也、品川徹、坂田修司ほか
1972年 『赤馬夜曲』(転形劇場工房)作・演出/太田省吾 照明/辻本晴彦 作曲/及川恒平 助演出/高野達也 出演/品川徹、瀬川哲也、増田再起ほか
1973年 『金糸雀料理』(転形劇場工房)作・演出/太田省吾 装置/手塚俊一 照明/辻本晴彦 作曲/及川恒平 助演出/高野達也 出演/品川徹、瀬川哲也、至二郎ほか
1974年 『老花夜想』(転形劇場工房)作・演出/太田省吾 装置/手塚俊一 作曲/及川恒平 制作/高野達也 出演/瀬川哲也、品川徹、荒井範昭ほか


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