ただあたたかくカラッポ題字

曲名 公表作品 作詞者 作曲者
 027   ただあたたかくカラッポに   ライブ発表のみ   及川恒平   小室等  

1

  てのひらにある思い出に
  息吹きかけて消してゆく
  これでいいのかわからずに
  午後の日差しを浴びていた

  ふと立ち止まる私の前に
  ふと立ち止まるあなたがいた

  きっと私と同じ目をして
  ただあたたかくカラッポに  
  いっしょに歩いてくれますか
  ただあたたかくカラッポに

2

  はげしいばかりの思いでも
  愛せるものになるでしょう
  今ある日々のしずせかさに
  心ゆだねているうちに

  ふと吐息つくあなたの前に
  ふと吐息つく私たがいた

  きっとあなたと同じ気持ちで
  ただあたたかくカラッポに  
  いっしょにすごしてくれますか
  ただあたたかくカラッポに


 10月26日名古屋・TOKUZOにて『まるで六文銭のように』の ライブをした。
その報告を兼ねて、その日発表した新曲の歌詞もご披露します。
この歌、もしかしたら不思議な『人生』を歩むような気もしています。
以下、当日の報告です。
  このグループでの最近のコンサートとしては、
音楽専用のライブハウスでは初体験だった。
実は僕個人の感想だけれど、現地に到着して場所を確認したとき、
少しばかり落胆したのだ。
大きなホールか屋外か、またはイギリス館のほかには未経験だったから、
食べ物や飲み物に囲まれて演奏するにしては、
僕等はキジャクにすぎるのではないかと思えたからだ。

 僕はメンバーにはもちろん、誰にもこの思いは伝えずにリハを続けた。
マイクテストの段階で、リーダー小室等のタタカイは始まった。
というのは、恐らく僕等はこのライブハウス始まって以来のチョー生音派だからだ。
ただし自己評価として、そう感じているフォークシンガーが数多くいるとは思う。
だからこの場では、チョー個人的感想としてとって頂いてかまわない。

 オンマイクによる低音の出過ぎ、音漏れを防ぐためにモニタースピーカのオフ、
ハウリングポイントの徹底的な洗い直しなど、小室の言葉遣い、
物腰のやわらかさにごまかされてはいけない。
つまりシビアといっていい内容だったと思う。
ただし僕等としては当然なのだが…
 そんな訳で、サウンド的には杞憂にすぎなかったが、ライブ時の演奏以外の音は、
スピーカの音量を絞った分どうしても心配は残った。
 
 コンサートは自己評価としてだが、概ね順調だったと思っている。
心配していた音響面上の大きな破綻はなかった。
外来音の問題も、
若干ありはしたが、聞く方々の集中力がきっとカブァしてくれていたと思う。
あの満員状態の中で、あのクォリティを維持できたのは、
聞く方々の熱意によるところが大きい。
というか殆どである。僕等演奏者だけではどうにもならないのだ。感謝。
 さて、コンサートの内容を思い返してみたい。
 特徴的だったのは、今回三人で立ったステージとしては
その三人が結構独立した形をはじめて作り出せたことだろう。
表面的には、四角に余裕が生まれたと言われそうだが、
グループ内の問題としてはそんな単純でもない。
三者の関わり方のバランスがうまくとれ出したということにつきる。

 特にこのライブでは、第二部にそれが顕著であっただろう。
舞台後、小室自身の言葉としてもあった。
互いの発する音声に耳をかたむけ、反応する作業がスムーズだったのだ。
もしかしたら、新鮮さの中でこれを成立させ得たのは、
今回が最初で最後ということだってある。
もちろん、僕等は次回の舞台でだって、
このコミュニケーションを成立させるべくチャレンジするのは当然なのだけれど。


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