こ は る び よ り | |||||||||||
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7/8拍子がまじっていたりしてここに書き表しにくかったりします |
1 こはるびよりの午後 くじらの骨の番をしてる女の子 窓のかたちをした陽射しが そばの床 すこし退屈げに 春がくるのを待つ まどろむその子が見てる夢 笑うくじら ひゅーらひゅーろ 街の空を ひゅーるれ 飛んでゆく 2 こはるびよりの午後 さかなの骨の番をしてる丸い猫 高くやせたポプラ 屋根に枝の模様 猫もちいさな影 あくびをかみころす まどろむその猫 見てる夢 さかなの群 ふぁーら ふぁーろ くじらの後 ふぁーるれ ついてゆく まどろむその子が見てる夢 笑うくじら ひゅーらひゅーろ 街の空を ひゅーるれ 飛んでゆく まどろむその猫 見てる夢 さかなの群 ふぁーら ふぁーろ くじらの後 ふぁーるれ ついてゆく |
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この曲の下敷きはいわずと知れたアレである。 もったいぶって少しの間言わないでおく。 この中にでて来る鯨の骨の番をする女の子は実在する。 かすかな記憶だが、その子に誰かが「君は鯨の骨の番をしている感じ」と言ったのだ。 それをそばで聞いていて記憶に残った。 この博物館も実在した。 どうやら建て替えてこぎれいになってしまったらしいのだ。 釧路市立郷土博物館がその名称。 鯨の巨大なあごの骨が入り口付近に野ざらしにされていた。 この博物館がある鶴ヶ岱(ツルガダイ)公園は、ぼくの遊び場だったのだ。 六文銭時代の歌である『小さな動物園』もほぼあの歌詞のままこの公園に実在した。 まだしているかもしれないが、可能性は低そうなので過去形にしておく。 夏は、とはいっても来たとは言えない肌寒い年もあったが、 雑魚を釣ったりザリガニをつかまえたりしたし、 冬は(これは毎年リッパなものであった)池がスケートリンクになった。 そしてちょっとした斜面はスキーやソリで遊ぶのにかっこうの場所だった。 ぼくはスケートが苦手でよくころんだ。 あまりにころぶのでためしに数えてみたことがある。 その日は36まで数えてばかばかしくなって遊ぶのをやめて帰った。 小学生の高学年のころだっただろうか。 |
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脱線ついでにもう少し脱線してしまおう。 後年、大学でゼミのクラスを選ぶことになり、その英文学の教授の面接をうけた。 ぼくの住所は釧路市鶴ヶ岱だったのだが、この教師はどういうわけか アタマッから岱の字は『台』ときめてかかっており、ご丁寧にも 『大学生にもなって自分の住所をまちがって書くやつがいるか』と言ってのけた。 ぼくは返事のしようもなくただ黙っていた。 もちろん二度と行かなかったが… 『某コダマ』センセーという方であった。 さて、アレとはご存知、大瀧詠一氏の「空とぶクジラ」である。 ある時期ぼくは毎日のようにこのシングル盤をきいていたし、 自分の番組ではオンエアしてもいた。 彼の曲にぼくは惹かれることが多く、松本隆氏の作詞のものより、 彼自身のことばによる作品が好みだった。 でも「君は天然色」は別。イイの一言。 イイの一言といえば、彼の曲で阿久悠さんの作詞、 小林旭さんの歌唱による「熱き心に」もまた名曲だ。 ところで、今ふと思ったのだが、大瀧氏の「空とぶクジラ」もなにか原典があるのかもしれないね。 どうも連鎖反応があの時おきていたような気がしてきた。 |
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『こはるびより』に話をもどそう。 曲ができたのは、詞の決定から遅れること十数年。紆余曲折をへて、 幸か不幸が出だしが8分の7拍子という変拍子に落ちついた。 決定稿と思ってはいるが。 そして「全国的」な意味としての小春日和は、 初冬の春を思わせるあたたかそうな天気の日をさすのだろうが、 この詞を書いているぼくの頭にあったのは九月下旬の釧路だ。 まあ、「全国的」な意味として初冬ではあるだろう。 ところで、今でも道産子は、 ぼくが子供のころ当然のように言っていた「内地」という言葉をつかっているだろうか。 脱線ついでの脱線。 『キングサーモンのいる島』にある『流星花火』は 北海道の夜空を賑わせた花火のことを書いている。 できた時点ではぼくの想像の産物だったが、 実際に「内地」にあるんだよね。それを知ったときは驚いたけれど… |
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『こはるびより』に話をもどそう。 この歌に出てくる擬音を気にいってくれる方がいた。 ぼくとしては独創のつもりだけれど、やっぱり過去に存在しているのかな。 もしあるのなら教えていただきたいな。 だからと言って替えるつもりはないけれど。 自分としてはこの擬音がこの歌にハマッテいるつもりなのです。 擬音のおもしろさではやはり宮澤賢治ということに落ちつくのかな。 賢治といえば… 『こはるびより』に話がもどらない。 賢治とのかかわりについてもちょっとあるので後日また。 |
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