日々のこと67


北海道ライブツアー

2007年11月、函館〜旭川〜小樽

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其の一

2007年11月23日 金曜日 開場13:00 開演14:00

函館香雪園・園亭   出演/及川恒平 

演奏曲目
夏・二人で
引き潮
靴を繕う
冬のロボット
風が吹き抜けて
平原にて

冬の音
雨が空から降れば
私の家


【小休止】



ガラスの言葉
ほしのはだ

君は誰かな
地下書店
まだあたたかい悲しみ
風のゆくえ


【アンコール】
さみだれ川
覚え書き

  函館は冬の到来を告げる雪。
ライブ前日、数時間の遅れながら、かろうじて函館空港に到着。

 当日も会場の園亭は、すっかり雪化粧。
これを幸運と言わずしてなんと言おう。
窓の外に拡がる雪景色は、贅沢きわまりないと感じた。

 ただし、聞く方がた、歌い演奏する者として、厳しい条件であるのも否めない。
 案の定、十数曲のうち、最後の二三曲になって、やっと指が動いた。
弁解になるが、日々夜間に照準を合わせている者としては、
声も眠りから醒めきっていなかったが。

 しかし、ライブとしては、感慨深いものだったと言える。
主催者の、数ヶ月に及ぶ尽力が、まずその第一の理由だ。
そして、集ってくれた方々の作り出した、徹底した静寂。
過去これほどの体験をしたことは、あまりない。
匹敵するのは、僕の定例音楽会、イギリス館ライブぐらいだろう。

 定刻の開始。
畳の座布団に座っていただいたので、途中若干の小休止。
現代のライフスタイルとしては、苦行のたぐいになったかもしれない。
しかし、僕自身が演奏位置から離れるのでもなく、話を続けた。

 トータルおよそ一時間半。
予想を遙かにしのぐ方に、郊外の必ずしもアクセスのよくない会場に、
来ていただいた。
そのため、補助としてのPA装置を最小限の稼働をさせた。
ラスト、さみだれ川は、
聴き手側に僕のほうからにじり寄らせていただき、生で歌う。

 いい体験だった。
感謝。


参考
函館新聞




其の二

2007年11月25日 日曜日 開場18:00 開演19:00

旭川・アーリータイムス   出演/及川恒平、住出尊史

演奏曲目
【前半】

(ソロ)

冬のロボット
雨が降りそうだな
私の家
引き潮
サーカスゲーム
冬の音
雨が空から降れば
ガラスの言葉
夏・二人で
ほしのはだ
面影橋から


【休憩】
【後半】

(+住出ベース)
以下、糸田ともよの言葉で。

歌う川
ゆきのこねこ
風のゆくえ
薬ばこ
空の扉
ガラスの暦

(ソロ)

君は誰かな
地下書店
まだあたたかい悲しみ

【アンコール】
さみだれ川

順不同
覚え書き
 旭川も例年を上回る降雪量。
不思議なのは、それでも地元の自動車は、ぐんぐん飛ばして通り過ぎる事。

 今回の共演者、住出氏とは、昨夏札幌以来、二度目の合奏になる。
糸田ともよさんの作品をとことんやりたいからにほかならない。
なんと言っても、この人の曲解釈をヌスンデ帰りたい、との思いだ。

 アーリータイムスでのライブは、三月、石川鷹彦先輩とのジョイント以来。
計四回目のライブ、月別では、10月、2月、3月、11月。
冬に縁がある。
まるで、ねらっているかのようだ・・・。

 糸田ともよの世界は、冬こそ似合い、それはそうなのだが、
北海道人を評する言葉としては、当たり前すぎで、
これ以上言っても仕方がない。

 ライブは、熱気につつまれた。
と、自分で言うのも変だが、
つまり、それほど熱狂的とはいえない僕のライフがそうだったのは、
一重に聴き手のおかげ。

 例によって、店内で、熱い鍋を囲み打ち上げ。
この家は、多くのフォークシンガーが足繁く通った名店。
僕も遅まきながら仲間入りができた。





其の三

007年11月23日火 曜日 開場19:00 開演20:00

小樽・一匹長屋   出演/及川恒平 ゲスト/森耕三

演奏曲目
(及川ソロ)

私の家
雨が空から降れば
冬のロボット
雨が降りそうだな
冬の音
サーカスゲーム
サーカス
ガラスの言葉
夏・二人で
ほしのはだ

(森ソロ)


(及川ソロ)

風のゆくえ
君は誰かな
地下書店
まだあたたかい悲しみ

【アンコール】
プカプカ
引き潮


順不同
覚え書き
 小樽もまた風情のある街だ。
港町特有の開放感を備えつつ、独自の情緒を湛えている。
潔さと諦念は表裏かもしれない。
小樽という街ははいつのまにか、旅行者の心に忍び込んでいる。
僕ももまた、一人。

 一匹長屋のオープンは1975年ときく。
僕の二十代、すこしばかり、音楽に徒労感を味わっていた時期だ。

僕が、やせこけて、無惨な自分の青春時代を過ごしているとき、
この店は、生き生きとした面持ちで船出したのだ。
そして、三十数年の時空を越えて、僕はついにたどり着いた場所。
小樽・一匹長屋。

 平日という事もあり、午後八時という遅めの開演。
途中休憩を置かずに、二時間弱を通す。
プログラムは用意せず、思いつくままに歌っていく。

 森くんと途中交代。
この人の歌は、独特のふるえを持っている。
声質ではない、中身の事だ。
これが歌にとって最重要なものだと、僕は思っている。

 森くんと、また交代して歌い継ぐ。
この夜も、めずらしく? 熱いライブになった。
沢山の献身的な知人たちの気持ちを、
僕が代表して、聴き手に伝えたと思っている。

 もう少し歌っていよう。



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