日々のこと31 | ||
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及川さん、皆さん初めておじゃまします。 |
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掲示板、読みました。 数ヶ月前、君のメールを読んでいたので、 覚悟はしていましたが、やっぱり現実となるとさびしいです。 一度でもイギリス館に来てくれれば、合奏する機会もあったかも知れないと、心残りです。 僕の言い方は、君がまるで地の果てにでも行ってしまうように感じるかも知れないね。 実際、そんな気分で書いているのだから仕方がありません。 ミンダナオ島っていったいどんなところなのか、僕には想像もつきません。 正確に言うと、熱帯ジャングルしか思いつかないのです。 外国人が日本を思い浮かべるときの裏返しだとは自覚しつつ、 東京で生まれ育った君が選ぶ場所とは、どうしても思えないのです。 君ののような「偏食屋」シツレイ菜食主義者には、やっぱり無理じゃないだろうか。 もっとも、きみのは筋金入りというか、体質で、 主義者などと気どっているわけじゃないのは承知しています。 だったら、逆にひらきなおることもできるのか、 などとわけのわからない結論を出したりしています。 「紅いランタン」「ギリシャについて書かれた本(こんな題だったと思う)」は 僕と君と幸田のペーパーランドで、けっこう演奏したね。 バンドーラってどんな楽器なのだろう。 ギター系だろうね。クワトロより太めの音がするのかな。 勝手な想像をしています。 つまり。 それらの曲を含め、合奏する機会は来ないのだろうか。 なに? 僕がミンダナオ島に行くのですか。 まあ、それもありだろうけれど、いずれ僕のホームグランドの横浜で、合奏しよう。 幸田はどうしているだろう。 ベース弾いているかな。 一昨年、竹田扇之助さんをたずねて飯田市に行ってきました。 あのころ足立区にあった「竹田人形座」はグレードアップして今、飯田市にあります。 そして扇之助先生は、病後にもかかわらずお元気に活動していました。 おしゃべりのほうも? あのころのままでした。 君は忘れたかもしれないけれど、人形座で子供むけ夏の公演用の音楽を、 ペーパーランドで作ったことがあります。 その音楽が「竹田人形座記念館」で一般向けに流れているのですよ。 君のギターも、幸田のベースも、三橋氏の尺八も、僕の歌も、あのころの録音のまま。 うれしかった。 君のペーパーランド後も、幸田や僕のそれも、かなりのでこぼこ道だったですね。 君のことはメールなどを通じて、幸田のことは風の便りに聞いています。 父君が亡くなるまでの、君の孤軍奮闘は忘れられないです。 いや、別に楽になったというわけでもなく、あいかわらずでこぼこのままだけど、 ともかく、音楽のとなりに住み続けてきたこと、 そしてこれからも、多分そうなのは、きっと間違いのないところでしょう。 これを「しあわせ」と思うことも、多分正しいことなのでしょう。 君が棺おけまでギターを持っていくことを、心から願っています。 僕もきっと、そのくちですから。 まあ、その前にこの世で合奏しなければいけないけどね。 お元気で。 本田修二どの 平成15年6月27日 及川恒平 |
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