歌のはなし  曲名 公表作品 作詞者 作曲者
050  やさしく逃げた   多分ライブのみ 
 及川恒平   国吉良一 
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4/4
KEY=B♭
Capo=3
前奏  G     B7    G    Am7  
G△7/E7  Am7/D7  G△7/E7  Am7/D7・D+
G△7/Em7  Am7/D7    

G    B7    G    Am7  
新しい 鞄     煙草 ふかして
G△7/E7  Am7/D7
丸で楽しい 旅に出るように
G△7/E7  Am7/D7・D+ G△7/Em7 Am7/D7
丸で楽しい  旅に出るように

G     B7   G    Am7  
優しく逃げた   追うのは止めた
G△7/E7   Am7/D7
そしてなるべく笑って過ごした
G△7/E7   Am7/D7・D+ G△7/Em7 Am7/D7
そしてなるべく 笑って過ごした

B7         Em7  
ふと思い立った 今の気持ちを
A7        Am7    D7  D7/D+ 
ひと事みたいに静かに愛せた  

間奏  G    B7    G    Am7  
G△7/E7  Am7/D7  G△7/E7  Am7/D7・D+
G△7/Em7  Am7/D7 

G    B7   G    Am7  
初めての町   止まった時計
G△7/E7    Am7/D7
それに誰かと 喋る訳じゃなく
G△7/E7   Am7/D7・D+ G△7/Em7 Am7/D7
それに誰かと 喋る訳じゃなく
     
G    B7   G    Am7  
優しく逃げた   追うのは止めた
G△7/E7   Am7/D7
そしてなるべく笑って過ごした
G△7/E7   Am7/D7・D+ G△7/Em7 Am7/D7
そしてなるべく 笑って過ごした

B7         Em7  
ふと思い立った 今の気持ちに
A7       Am7    D7  D7/D+ 
栞を挟んで  閉じてみたけど  

G    B7    G    Am7  
新しい 鞄     煙草 ふかして
G△7/E7  Am7/D7
丸で楽しい 旅に出るように
G△7/E7  Am7/D7・D+ G△7/Em7 Am7/D7 
丸で楽しい  旅に 出るように

 せっかくつくったというのに、間が悪いというか、録音されることもなく、
なんとなくほうっておかれた歌がある。
 『やさしく逃げた』も、そんなもののひとつ。
この歌は僕のソロ・セカンドアルバム『名前の無い君の部屋』の制作前後にできたものだ。
作曲者の国吉氏とは、このころ数曲作っていて、そのうちのひとつだ。
中には彼のデビューアルバムに納められたものもあるのだから、この曲は不運だ。
今、僕はこの歌がどこにも収録されていないことを前提に書いているけれど、
あったらどうしよう。
ま、気がつかなかったということで・・・。
  作ったのは1975,6年と思う。
当時僕はフォービート系のものは西岡恭蔵作『プカプカ』以外、
ほとんど歌っていなかったので、この曲がライブで歌われることもなかった。
僕の場合ライブの延長上に位置していた録音も、それゆえにされなかったのだろう。

 かつてレコーディングまでいって、結局発売されなかったものを思い出してみる。
あの当時のものでは、
阿久悠さんに詞を依頼して、僕が作曲したものでは、『髪の毛を切る』がそうだ。
キングレコードのスタジオで録音したのをしっかり記憶している。
阿久さんに詞をお願いして録音に至らなかったものはほかに、
『ガラスの馬』『十三夜』などがある。
ポリドールレコードに移籍後もウォン氏と作ったものが、二つある。
『それぞれの時代』『娘よ』。
 国吉氏と作ったもので、オクラになったものもほかに多分ある。
たしかモリヤマリョウコさんに歌ってもらえるかもという曲で、
どういうわけか頓挫したものもあったなあ。
どういうわけか・・・僕のせいで・・・どういうわけでもなく・・・
 歌のイノチというやつは、こんな風にけっこう波乱に満ちていたりする。
作った本人にしてみれば、
どれもこれもエコヒイキはとてもする気分にはならないのだけれど、
ウンメイというやつはどうにもならない。
 作者本人の意思により命運が決められたものは、まああきらめもつくものの、
他の理由によりヒカゲモノになった場合、作った本人としては、
僕だけはワスレテナイカラネ、といった気分にもなる。
 歌を作るほかの方たちもきっと、そんなものが少なからずあるだろう。

 別に音楽を生業とする者にかぎらない。
フォーク時代を経験した世代なら、
きっとそんな自作の歌を、いくつか秘蔵しているに違いない。
そして、それぞれが青春ドラマのテーマ音楽であるだろう。
ウンメイだのなんだのとここでのたまうのは、
傲慢のそしりを免れないのかもしれない。
僕の作った歌は幸運なものが多かったのだ、と言い直しておかなくてはいけない。

 その上僕の場合、オクラになった理由は、実は自分のせいだということが多いときている。
ちょっと、思い起こしてみても、あれも、これもだ。
ようするに、全然同情に値しないのでアッタ。
 いや、オマエに作られた歌が不憫というやつだ。
すみません。
みょうな場所に着地しそうになってきたな。
 『やさしく逃げた』は録音も試みられなかった、ソノタオオゼイのものだったはずだ。
それが、どういうわけか最近になにって歌う機会が増えたというか、増やした。
歌ってみると、不思議と心地いい。
お佳ちゃんにタップダンスをつけてほしいほどだ。
おまけにウッドベースもブラシのきいたドラムも欲しい。
小粋なピアノもぜひ。
歌手はジャズ系の人にしたい。
えっ・・・。

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